韓国食材と調味料

ミョンテ명태

すけそうだら

漢字で「明太」と書く。朝鮮半島では昔から「味は鰊(にしん)、よく食べるは明太(ミョンテ)」というほどポピュラーな魚。朝鮮半島東側の海の中でも北方の海域がよい漁場だが、韓国ではもっとも北寄りの江原道(カンウォンド)・巨津(コジン)港が最大の漁獲量を誇る。

名前にまつわるエピソード

そんなすけそうだらだが、文献上では、16世紀の『新増東国與地勝覧』に「無泰魚(ムテオ)」という名で登場するのが初めてのようだ。その後、19世紀初めごろの『松南雑識』に出てくる「明太(ミョンテ)」という名前の由来、すなわち咸鏡道(ハㇺギョンド)・明川(ミョンチョン)に住む太(テ)某氏が当時の咸鏡道観察使にこの魚を進上したところ、美味だったため「明川(ミョンチョン)の太(テ)氏」から「明太(ミョンテ)」と命名されたという説が、現在にも伝わる。

동태凍太(トンテ):凍らせた明太。
생태生太(センテ):生の明太。11~3月が旬。
북어北魚(プゴ):凍結乾燥させた明太。酷寒の山岳地帯で、凍結・解凍をくり返しながら明太を自然乾燥させる。
황태黄太(ファンテ):北魚(プゴ)の中でも上質のもの。
身は黄色く、ふわふわと柔らかくほぐれる。
노가리ノガリ:明太の稚魚。焼いたり揚げたりして骨ごと食べる。

すけそうだら

韓国の市場で売られている北魚

余すところなく調理

生太(センテ)や凍太(トンテ)は、スープやチゲにしたり、蒸して薬味をかけて食べるほか、刺身にして膾冷麺(フェネンミョン)にのせたり、キㇺチの具に入れたりする。北魚(プゴ)は小さくちぎって薬味で和えたり、焼いたり蒸したりして食べる。スープやチゲに入れるとダシがよく出る。ほかの部位もそれぞれ適切な調理法で保存し、余すところなく食べつくす。

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プゴポプラギ(干し明太の和えもの)

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プゴチム(干し明太の蒸しもの)

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プゴクッ(干し明太のスープ)

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割いた干し明太

명란젓ミョンナンジョッ:「明卵(ミョンナン)」はたらこ、「ジョッ」は塩辛のことで、たらこを塩漬けにしてから各種の薬味で漬けた、辛子明太子のこと。明太子(めんたいこ)という呼び名からも、韓国語由来であることがわかる。
창란젓チャンナンジョッ:腸を塩漬けにしてから明太子同様、薬味で漬けたもの。日本ではこれをよく「チャンジャ」と呼ぶが、「チャンジャ」とは韓国語で腸のこと。
아가미アガミ:チャンナンジョッと似ているが、エラの部分だけを集めて千切り大根とともに薬味に漬け込む。

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チャンナンジョッ(たらの腸の塩辛)

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