「ヨルム」( )は、大根を栽培する途中でまだ小さいうちに間引いた「間引き菜」の一種で、日本では「おろぬき大根」「間引き大根」「大根の間引き菜」などと呼ばれる。
大根は一般に、種をまくとき30cmほど間隔をあけ、1ヶ所には数粒ずつまとめてまく。芽が出たら間もなく、虫食いや形の悪いものを間引いて1ヶ所2〜3本にし、さらに約1ヶ月後、葉が20〜30cmほどになったところで1ヶ所に1本だけ残して間引いてしまう。この間引いたものが、「おろぬき大根」すなわち「ヨルム」である。早めに間引いたものは葉が柔らかくサラダなどにも向いている一方、ある程度成長してから間引いたものは、葉が茂り根の白い部分も少し伸びてきているので、漬物や炒めものに向く。ちなみに、この後さらに成長して普通の大根になるの芽が出てから2〜3ヶ月後になる。
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このように「おろぬき大根」は、もともと大根を栽培する過程で生じる、どちらかというと副産物的な存在のため、7月や10月などわずかな時期に一定量しか出回らないのが現状だが、韓国では古くから「ヨルム」を主目的とする料理があるほど存在感のある野菜で、夏と冬の旬を中心に、大変よく目にすることができる。
韓国語 (ヨルム)の語源は、「柔らかい」を意味する (ヨリダ)の連体形 (ヨリン)が短縮された (ヨル)に、「大根」を意味する (ム)がついた合成語といわれる。 |
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■ヨルムのすぐれた栄養価 |
大根の葉の部分には非常にすぐれた栄養的価値があり、その意味では根の部分以上といえる。根の部分は淡色野菜だが、葉の部分は緑黄色野菜に分類される。
ヨルムの栄養的特徴として、まず他の野菜と比べても群を抜いて多いのが、ビタミンAとビタミンC。それからビタミンB1、B2や鉄、カルシウム、カリウム、リン。そのほか食物繊維も非常に多く含まれる。 |
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