たらの芽は、タラノキの新芽。日本では、そのほろ苦さと甘みから春の山菜の筆頭に挙げられるが、韓国でも人気のある山菜として、さまざまに調理され食べられてきた。
タラノキは、荒地ややせた山野にも自生し、ぐんぐん根を張って増殖していく。木の生育が極めて速く、1年で50〜60cm伸びるため、芽吹いた新芽を採食するタイミングが難しい。 |
■自生種と栽培種 |
自生種のたらの芽がとれるのは、4〜5月の短期間。枝のてっぺんから上向きに芽吹いた一番目の芽が、もっとも美味とされる。それを摘むと、次にその脇から斜めに二番目の芽が出る。二番目、三番目になるにつれ、味も香りも薄くなっていく。芽吹いたばかりの小さなものより、手のひらサイズまで伸びた頃が、味わい深い。春を過ぎると芽吹かなくなるうえ、前の年に伸びた若枝にしか芽がつかないため、芽を摘みすぎて木を枯らさないように注意する必要がある。
一方、近年韓国でも日本でも、温室栽培されたたらの芽がスーパーや市場に出回るようになった。特に韓国では、季節を問わず野草・山菜の人気が高く、たらの芽の栽培が進んでいる。栽培方法は、前の年に伸びた若枝を切りとって水に差しておき、温度を上げると約3週間で芽吹いてくるので、それを摘みとる。
栽培ものは自生種より味、香とも薄く、歯ごたえも弱い。 |
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■たらの芽の栄養 |
たらの芽は、日本では「山菜の王様」といわれるが、韓国でも「春ナムルの王様」あるいは「山ナムルの王様」と呼ばれるほど、栄養豊かで機能性の高い食べもの。タンパク質が非常に豊富なほか、カロチン、ビタミンB1、ビタミンK、葉酸、カルシウム、サポニンなどが多く含まれるため、血糖値降下、血圧降下、免疫力強化、疲労回復、解毒・廃毒、中枢神経の機能調節などのはたらきがある。 |