のびるは、早春の野に顔を出す、春野草のトップバッター。朝鮮半島でも日本でも古くから食され、ねぎ、らっきょう、にんにく、あさつきなどとともに「五葷(ごくん)」(葷とはにおいの強いネギ属の植物のこと)の一つとされてきた。 |
のびるは、日当たりのよい空き地や畦道、畑の周辺などに群生する多年草。地面からまっすぐ伸びた線のように細い葉は、よく見ると表面に白い粉をふき、土に近い部分は紫色を帯びている。そして地下には小さな球根をつける。比較的よく目にする草だが、野草に関心がなければ、地上の葉を見ただけでのびるとわかる人は少ないかもしれない。
韓国では、日本よりものびるが食材として定着しており、のびるの栽培が増加している。
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■のびる摘みとそうじ |
野草はたいていそうだが、のびるも、摘んでからまな板に上がるまでの下ごしらえに手間がかかる。 のびるを 摘むときは、茎の太そうなあたりを何本かまとめてつかみ、茎の下を少しずつ掘りながら、つかんだ茎を持ち上げていく。すると下から白い球(鱗茎)が出てくるので、球の大きいものを選んでひげ根ごと抜き取り、土をはらう。球の小さいものは、土にもどす。 |
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こうして摘んできたのびるは、次に新聞紙などの上に広げて一本一本そうじする。まず、茎上部の枯れた部分をとり除き、茎から下に向かって鱗茎まで皮を一枚むく。ひげ根にも栄養があるので、ちぎれないように気をつける。
そうじが済んだら、最後は水洗い。大きめのボールに水をため、のびるを入れてゆするようにして洗う。ボールの底に砂がたまったら、のびるを手ですくい上げてボールの水を捨て、水をとりかえて何度も洗う。野草は入念なそうじと水洗いが必須だ。 |
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