芹は沼や水辺、田んぼのあぜなど湿地に自生する野草で、古くから栽培もされており、現在、韓国や日本で出回っている市販品の多くが栽培品だ。
芹は発芽率が低いため、種をまいて栽培するのではなく、根を株分けしたり茎を地面に這わせて増やしていく。自生種と栽培種の品種的な差があまりないのが、芹の特徴といえる。また、よく似たものに毒芹(どくぜり)があるので、自生の芹を摘むときは要注意だ。
芹が朝鮮半島の文献に初めて登場するのは、『高麗史』(1454刊)。その「列伝」の中に「芹田」という語が出てくることから、朝鮮半島では高麗時代ごろから芹が食べられていたものと思われる。日本では『万葉集』(760頃)に芹を摘む歌が出てくるのが、最古といわれる。
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芹の効能
芹はビタミンA・C、カリウム、カルシウムを多く含み、解毒作用、発汗作用、利尿作用があるほか、肺や気管支を強くし、肝臓の働きをたすけ、血圧を下げ、血液をサラサラにするなどの優れた薬効がある。このため、韓国では食材としてだけでなく、青汁や健康飲料の材料としても、その高い利用価値が注目されている。
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芹を使った韓国料理
(ミナリナム
ル
)
:芹の和えもの。
さっと茹でた芹を薬味調味料で和えたもの。塩や薄口醤油、ごま、ごま油などであっさりと和えるほか、チョコチュジャン(とうがらし酢味噌)で和えることもある。芹は根と葉を摘みとり、茎だけを使う。
(ミナリセンチェ)
: 芹のサラダ。
芹を生のままチョコチュジャンやヤンニョムカンジャン(薬味醤油)で和えたもの。
(ミナリムッチ
ム
)
ともいう。
(ミナリカンフェ)
:芹の巻きもの。
細切りにした茹で豚、岩茸、錦糸卵などを、さっと茹でた芹でくるくると巻いたもので、チョコチュジャンにつけて食べる。早春の季節料理。
(ミナリチョデ)
:芹のお焼き。
芹をきれいに並べて、小麦粉と卵にくぐらせて油で焼いたもの。
その他、芹はその独特な香りが魚介の生臭さを消し、料理の仕上がりをさっぱりとさせるといわれ、韓国ではチゲやチョンゴ
ル
、スープや蒸しもの、和えものの副材料としても年間を通してよく使われる。その場合も、根元と葉をつみとって、茎の部分だけを使うことが多い。
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芹と似た野草いろいろ
韓国料理では、香りの比較的強い野菜・野草類が好んでよく使われる。
芹とやや似た香りや味を持つ野草類として、次のようなものもよく登場する。
(ト
ル
ミナリ)
:田芹(たぜり)、野芹(のぜり)。
(チャ
ム
ナムル)
:セリ科の植物で日本には同種がないが、日陰三葉芹(ひかげみつばぜり)、茴芹(ういきん)などと訳される。
(パドゥドゥッナム
ル
)
:三つ葉。
(パンディナム
ル
)
ともいう。
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